パシフィックゴルフマネージメント上場(2005年)
かつて、東証一部に「PGMホールディングス」という銘柄があった。2015年7月に上場廃止となった。パチンコメーカー「平和」に買収され、完全子会社になった。
このPGMは、もとともとは、ゴルフ場運営会社「パシフィックゴルフマネージメント(略称:PGM)」という会社名だった。
ローンスターが100%出資
この「パシフィックゴルフマネージメント」は、アメリカの投資ファンド「ローンスター」が100%出資していた。
2005年12月、東証一部に上場した。
地産を買収
パシフィックゴルフマネージメントは2001年4月に設立された。地産グループなど経営破綻企業を買収した。全国95コースと国内最大規模を運営するに至った。
IPOでは、野村証券が主幹事を務めた。
上場によって、ローンスターの出資比率は25%程度にまで下がった。
東京スター銀行の上場
ローンスターは「東京スター銀行」(旧東京相和銀行)、ホテル運営会社の「ソラーレ・ホテルズ・アンド・リゾーツ」にも出資していた。
東京スター銀行は2005年10月に東証一部に上場した。「ソラーレ」も上場を目指していたが、実現しなかったようだ。
ローンスターは日本での成功をふまえ、ドイツや中国の企業への投資も拡大することにした。
ゴールドマンが買収した「アコーディア・ゴルフ」
アコーディア・ゴルフ(東京・渋谷)も、外資ファンドの出資によって再生し、2006年上場を果たした。
1981年に設立されたが、バブル崩壊で倒産状態に陥った。2002年にゴールドマン・サックスに買収され、子会社になった。
国内78コースを持つゴルフ場運営会社になった。
温泉の買収
ゴールドマンは日本で、温泉旅館・ホテルの買収を積極的に行っていた。アコーディア・ゴルフ上場で得た資金を、ホテルに振り向かった。
不振のゴルフ場を次々と買収し、成長
PGMやアコーディアは、不振に陥っていたゴルフ場を次々と買収し、収益を改善させた。
買収は、全国規模で進めた。買収後、共同仕入れなどの合理化を進めた。カード発行による会員の囲い込みも行った。
投資資金を回収
ローンスターなどは5-10年の契約で投資家から集めた資金を分配する時期を迎えた。
上場すればゴルフ場などを切り売りせずに投資資金を回収できるメリットがあった。
残った資金を再投資に充てられるのも利点だった。
日本は株価が上昇基調にあり、上場のタイミングとしては良好だった。
リップルウッド(RHJ)
新生銀行(長銀)などを再生させたファンドとしては、リップルウッド・ホールディングスが有名だった。
リップルウッドは、買収した日本企業を傘下に収めた持ち株会社として「RHJインターナショナル」を設立していた。東証に上場させるという観測が飛び交った。
しかし、欧州ユーロネクストのブリュッセルで上場した。
創業者のティモシー・コリンズ氏
リップルウッド創業者のティモシー・コリンズCEO(最高経営責任者)は「市場から資金調達できる体制にすることで、再生に長期的に取り組める」と語っていた。
日本からは2013年に撤退した。
ハゲタカではなく、再生屋だ!
外資系ファンドについて、日本ではかつて、短期売買目的の「ハゲタカ」という批判も強かった。
しかし、5年程度かけて企業再生を果たす事業モデルを定着させた。
日本国内でも投資銀行経験者などが設立した再生ファンドは実績を上げつつあった。
外資系再生ファンドの日本における買収・投資実績
投資ファンド | 出資先企業 |
---|---|
ローンスター | パシフィックゴルフマネージメント、東京スター銀行、ソラーレ・ホテルズ・アンド・リゾーツ |
RHJインターナショナル (旧リップルウッド・ホールディングス) |
日本テレコム(ソフトバンクに売却)、新生銀行(再上場)、コロムビアミュージックエンタテインメント |
カーライル・グループ | コーリンメディカルテクノロジー(オムロンに売却)、ウィルコム |
ウォーバーグ・ピンカス | 日興アセットマネジメント |
サーベラス | あおぞら銀行、国際興業 |
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